お勧め書籍の紹介です。
今回紹介する書籍は、就活を経験する大学生、スパイものが好きな方、人間の裏切りや深層心理に迫る話が好きな方にお勧めしたい一冊です。
その書籍は、根本聡一郎さん著書の「プロパガンダゲーム」です。
広告代理店の面接に挑む就活生が、面接の一環として政府側とレジスタンス側のチームに分かれ、政府側は戦争を行うこと、レジスタンス側は戦争を止めることを目的に様々なプロパガンダ(特定の行動へ誘導する意図を持った行為)を行う物語です。
この物語の中では主に8人の就活生が登場しますが、面白さを際立たせる要因の一つがキャラクターそれぞれの個性が際立っているという点です。
就活生たちは自分たちのプロパガンダを成功させるために様々な議論を行いますが、各個人の正義というものが明確に表れます。
常に正論を求め自分の正義を第一とする考え、正攻法でなくとも結果を優先する考え方、優秀であるゆえに理論的な正解を追い求める考え、などなど
8人それぞれの考え、性格がしっかりと立っていて、実際にこのような人物がいるかのような感覚に陥ります。
また、この物語を面白くさせているのがスパイの存在です。
二つのチームに分かれますが、それぞれのチームにスパイが紛れ込んでいることが序盤から明らかにされます。
その際のスパイを疑う心理描写もリアルでよみながらこちらが緊張してしまいました。
同じ空間にいるような臨場感を小説を読みながら感じることが出来ます。
また、この書籍は戦争の是非や正しい事とは何か、そしてマスコミについて考えさせる内容になっています。
物語を楽しむことももちろん、戦争、平和とは何かを考えさせられます。
興味ある方は是非ご覧になってみてください。